「人を見る目」保阪正康著

公開日: 更新日:

 東西の古典をひもとき、古今変わらぬ人間の本性をあぶりだした人間観察エッセー。

「お追従」の項では、古代ギリシャのアテネの広場で人間を見続けた哲学者テオプラストスの著作「人さまざま」の一節を取り上げ、へつらう相手の権力が大きいほど、見返りを期待すればするほど、お追従の姿は醜くなると説く。昭和10年代の陸軍もお追従を競い合い、陸軍大将の東条英機からしてお追従が大好きで、目をかけた人間のみ周囲に集めたといい、東条にへつらうのを公然と拒否する人間がいれば戦争の内実も変わっていたに違いないと指摘する。

 そのほか、「パンセ」や「徒然草」などを読み解きながら、昭和史に踊ったおせっかいな人や横柄な人、臆病者の生態を描き出す。

 (新潮社 760円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  3. 3

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  4. 4

    鈴木紗理奈以外にもいた…あのちゃんが過去に口にしていた“キライな芸能人”の実名

  5. 5

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  1. 6

    日本ハムがソフトBに8戦全敗の悲惨…崩壊投手陣が口にする「伏見寅威ロス」

  2. 7

    元サッカー日本代表・大津祐樹さんはビジネスでも成功 年商300億円の高級腕時計会社の社長に

  3. 8

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  4. 9

    DeNAビシエド電撃引退のウラとフロント批判殺到の必然《もうハマスタに行こうとは思わない》

  5. 10

    文科省「教育の政治的中立性」で波紋…なぜ森友学園がセーフで、同志社国際がアウトなのか?