「まちで出会ったかわいいあのこ」うおのめとるこ、藤本健太郎、松村大輔著

公開日: 更新日:

 アニメ文化の発信源である日本では、街中から家の中、老若男女問わず人々の持ち物まで、キャラクターであふれている。

 本書は、そうしたあまたあるキャラクターの中でも、街の看板などに無名の職人によってそっと描きこまれたほぼ「1点もの」の「かわいい」キャラクターを採取して紹介するグラフィック図鑑。

 冒頭に登場するのはかわいい「まほうつかい」。手作りケーキのお店の看板に描かれたまほうつかいは、魔法のほうき代わりに「魔法の泡立て器」にまたがり、頭にはとんがり帽子の代わりに三角巾をつけている。

 ほかにも、何屋さんかは分からないが、自動販売機と自動販売機の間からのぞいた窓に描かれたたばこにもはんこにも見える白い棒にまたがる女の子や、なぜか打ち出の小づちを抱えた女の子など、街中で見つけたさまざまなかわいい「まほうつかい」を紹介する。

 また、つば広の大きな帽子をかぶった靴屋さんの看板娘や、店名入りのキャップをかぶってカメラを提げてポーズをとる写真屋さんのキャラクターなどの「帽子の女の子」をはじめ、大きなフランスパンを抱えた「パン屋ガール」、和装にたすき掛けの「お茶娘」など、「かわいいあのこ」たちが目白押し。

 かわいいだけではない。美容院の看板に描かれたちょっと「おしゃれな彼女」や、薬局のブリキ看板に添えられたバスタオル1枚だったりシュミーズ姿の「お色気ガール」、さらには「赤ちゃん」や「おじさん」、各動物など、さまざまなキャラクターをジャンル別に分類して紹介。

 どれも昭和のテイストが漂う、懐かしくもぬくもりのあるキャラクターばかり。あなたの街でも、きっとあちらこちらにいる「かわいいあのこ」たちが、気がついてくれるのを待っているはずだ。

(大福書林 2200円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    星野監督1年目…周囲から浮いても関係ない「今岡は変わった」と思わせたくてアップから全力だった

  2. 2

    フジテレビ騒動で蒸し返される…“早期退職アナ”佐藤里佳さん苦言《役員の好みで採用》が話題

  3. 3

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  4. 4

    若林志穂さん「生活保護受給」をXで明かす…性被害告発時のアンチ減り、共感者続出のワケ

  5. 5

    フジ・メディアHD経営刷新委に吉田真貴子氏の名前…"高級和牛ステーキ接待"で辞職→天下り疑惑の元総務官僚

  1. 6

    今季日本人13人参戦の米女子ツアー 厄介な「敵」は会場ごとに異なる芝質だけではない

  2. 7

    まさか破局? 綾瀬はるか《痩せすぎじゃ?》の声で気になる11歳年下アイドルとの結婚の行方

  3. 8

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘

  4. 9

    長澤まさみの身長は本当に公称の「169センチ」か? 映画「海街diary」の写真で検証

  5. 10

    フジテレビ危機で泣いた松本潤、笑うキムタク…「どうする家康」の黒歴史を“上書き”できない不運