「ポロック生命体」瀬名秀明著

公開日: 更新日:

 研究者の水戸は、友人の今日子から相談を持ち掛けられる。

 今日子の祖父・光谷は、かつて日本のジャクソン・ポロックと呼ばれた抽象画家なのだが、ある人物が今は亡き光谷の作品を人工知能に学ばせて「新作」を次々と発表して、金を稼いでおり、それを止めたいというのだ。その人物とは水戸もよく知る元研究者の石崎という男だ。

 しかし、石崎は人工知能による作品に光谷との類似性を感じるとしても、それは見る人の心に生まれた連想に過ぎないと取り合わない。さらに人工知能の作品は光谷が到達できなかった域に達していると自信を見せる。さらに光谷の晩年の作品も、実は石崎の人工知能が描いたものだという。(表題作)

 絵画や将棋、小説の世界を通しAIと人間の関係に迫るSF集。 (新潮社 649円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?