「破局」遠野遥著

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 大学4年の陽介は、公務員試験の勉強のかたわら、アメリカンフットボール部の後輩たちの指導に余念がない。自身も自らを律し、今も勉強の合間に筋トレを欠かさない。

 政治家志望の恋人・麻衣子の誕生日、久しぶりのデートで、陽介は高級ホテルを予約していたが、彼女は生理を理由にセックスに応じない。陽介はセックスが好きだが、強引に迫ることはしない。それは犯罪だからだ。

 そんなある日、陽介は友人が出演するお笑いライブで新入生の灯と出会い、引かれていく。麻衣子と別れ、灯と交際を始めた陽介は、試験にも合格し、前途洋々の未来が開けていくはずだったが……。

 己を厳しく律し、人生を歩んでいた大学生の「破局」を描く第163回芥川賞受賞作。

(河出書房新社 693円)

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