「おいしくて泣くとき」森沢明夫著

公開日: 更新日:

 中3の心也は6年前に母を病気で亡くして以来、食堂を営む父と2人暮らし。夏休みを前に、靱帯損傷でサッカー部を辞めた心也は、暇を持て余していた。

 そんな中、担任からコンクールに応募するための学級新聞の責任者に指名される。女子の責任者を任された夕花は心也の幼馴染みだった。夕花は心也の父が食堂で事情を抱えた子供たちに食事を提供する「こども飯」の常連だった。学年一の不良・石村も「こども飯」を食べに来ている。心也はできれば父親に「こども飯」をやめてもらいたい。夏休みに入り夕花が住むアパートの前を通りかかった心也は、彼女が義父に暴力を振るわれている現場に遭遇する。

 中学3年の切ない夏のひとときを描いた青春小説。思わぬ結末に涙必至。

(角川春樹事務所 869円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは