「志賀越みち」伊集院静著

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 昭和38年の初夏、大学3年の雅彦は友人の久家の故郷、京都に向かう。久家の勧めで志賀越道で峠を越えて初めての京都に入り、彼の実家である祇園の置き屋にたどりつく。東京で育った雅彦には、人々の会話や、置き屋のしきたりなど、すべてが新鮮に感じられる。

 翌朝、散歩中の雅彦は、建仁寺の本堂の前で熱心に祈っていた浴衣姿の女性の美しさに思わず見入ってしまう。去り際に彼女が落とした匂い袋を拾って手渡す。舞妓のようだが、祇園に詳しい久家も彼女の名を知らなかった。

 京都に2カ月滞在した雅彦が、金沢の友人を訪ね、再び京都に戻ると、久家の家で見習いとして働く久美が留守の間に舞妓が雅彦を訪ねてきたと告げる。

 大学生の雅彦と舞妓の真祇乃、2人の許されぬ恋を描く長編恋愛小説。

(光文社 1034円)

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