「志賀越みち」伊集院静著

公開日: 更新日:

 昭和38年の初夏、大学3年の雅彦は友人の久家の故郷、京都に向かう。久家の勧めで志賀越道で峠を越えて初めての京都に入り、彼の実家である祇園の置き屋にたどりつく。東京で育った雅彦には、人々の会話や、置き屋のしきたりなど、すべてが新鮮に感じられる。

 翌朝、散歩中の雅彦は、建仁寺の本堂の前で熱心に祈っていた浴衣姿の女性の美しさに思わず見入ってしまう。去り際に彼女が落とした匂い袋を拾って手渡す。舞妓のようだが、祇園に詳しい久家も彼女の名を知らなかった。

 京都に2カ月滞在した雅彦が、金沢の友人を訪ね、再び京都に戻ると、久家の家で見習いとして働く久美が留守の間に舞妓が雅彦を訪ねてきたと告げる。

 大学生の雅彦と舞妓の真祇乃、2人の許されぬ恋を描く長編恋愛小説。

(光文社 1034円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ

  5. 5

    進次郎農相ランチ“モグモグ動画”連発、妻・滝川クリステルの無関心ぶりにSNSでは批判の嵐

  1. 6

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    銘柄米が「スポット市場」で急落、進次郎農相はドヤ顔…それでも店頭価格が下がらないナゼ? 専門家が解説

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし