「『協力』の生命全史」ニコラ・ライハニ著 藤原多伽夫訳

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「『協力』の生命全史」ニコラ・ライハニ著 藤原多伽夫訳

「協力」はヒトがもっている強大な能力で、ヒトが地球上で生きのびてきたり、あらゆる環境で繁栄しているのもこの能力のためである。

 だが、「協力」には負の面もある。私利私欲のために集団を利用する詐欺やたかりに、「協力」はきわめて弱いのだ。例えば、身内びいきや汚職、賄賂といったものは、すべて「協力」の一種である。そういう社会的な不正行為は、他者に代償を払わせる結果をもたらす。

 また、あらゆる生命を形成するのにも、「協力」は不可欠の要素である。ヒトも細胞内のゲノムのなかで協力し合う遺伝子からつくられているのだから。

 進化論、行動学の研究者が、「協力」という視点から家族、利他主義、陰謀論などを読み解く。 

(東洋経済新報社 2640円)

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