「コレモ日本語アルカ?」金水敏著

公開日: 更新日:

「コレモ日本語アルカ?」金水敏著

「あなたこの薬のむよろし。毒ない。決して毒ない。のむよろし」というセリフ。多くの人がこの話し手を中国人と想像することだろう。しかし、実際にこのような話し方の中国人と会ったことがある人はいないのではなかろうか。なぜ私たちは、こうしたセリフを中国人が話していると感じるのか。

 著者が「アルヨことば」と名付けたこの話し方は、「役割語」のひとつだという。役割語とは、特定の話し方(語彙や言い回し、声質など)と人物像(性別、世代、職業、人種、国籍など)とが連想関係として結び付けられ、かつ社会的にその知識が共有されている話し方のことだ。「そうじゃ」の話し手を老人と捉えるのと同じように。

 本書は、宮沢賢治の作品にまでさかのぼり、「アルヨことば」の起源と歴史を解説したテキスト。

(岩波書店 1452円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  2. 2

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  3. 3

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  2. 7

    高市首相のいらん答弁で中国の怒りエスカレート…トンデモ政権が農水産業生産者と庶民を“見殺し”に

  3. 8

    ナイツ塙が創価学会YouTube登場で話題…氷川きよしや鈴木奈々、加藤綾菜も信仰オープンの背景

  4. 9

    高市首相の台湾有事めぐる国会答弁引き出した立憲議員を“悪玉”にする陰謀論のトンチンカン

  5. 10

    今田美桜「3億円トラブル」報道と11.24スペシャルイベント延期の“点と線”…体調不良説が再燃するウラ