「教科書で出会った名作小説一〇〇」石原千秋編著

公開日: 更新日:

「教科書で出会った名作小説一〇〇」石原千秋編著

 言葉は必ずある文脈の中で使われ、その文脈を変えれば意味も変わると編著者はいう。戦場に向かう兵士に「人を殺さないで」と呼びかけることが、「死んでこい」という意味になってしまうように。どんなに優しい言葉も人を傷つける言葉に変わることがあるのだ。

 見えない文脈に気づき、違った文脈を想像する「クリエイティブな力が小説を読む力」だと説く編著者が、小中高の国語の教科書に収録されているお馴染みの小説を読み解いたガイドブック。

 たとえば中島敦の「山月記」は、反抗期の気難しい生徒たちが食いつく最強の定番教材だという。

 以降、芥川龍之介「羅生門」からサンテグジュペリの「星の王子さま」まで、100作の冒頭を紹介しながら、各作品を読むポイントをアドバイス。 (新潮社 649円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い