著者のコラム一覧
山上たつひこ

1947年、徳島県生まれ。70年「光る風」で注目され、72年「喜劇新思想大系」でリアルな画風のギャグを確立。74年連載開始の「がきデカ」が社会的ブームに。88年から小説執筆を開始。2014年、原作を担当した「羊の木」(いがらしみきお画)が文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞。著書に「蝉花」「火床より出でて」「大阪弁の犬」「王子失踪す」ほか。

(102)エミューがスギムラの額にキス

公開日: 更新日:
イラスト とり・みき

 赤松が一歩近づきバスの窓を見上げた。タキグチはびくりと窓から体を離した。情報収集車の窓ガラスは外からは中を覗けない。にもかかわらず巨体の調査官は後ずさったのだ。

 スギムラは窓際に体を密着させて女を見降ろした。

「この女、私が襲った女じゃない。別の女になってる」
… 

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【連載】金鳳花のフール

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