「ポップミュージックはリバイバルをくりかえす」柴崎祐二著

公開日: 更新日:

「ポップミュージックはリバイバルをくりかえす」柴崎祐二著

 常に「新しさ」を駆動力として進化してきたポップミュージックは、時代の最先端を映し出す、「新しい」ものと見られてきた。しかし、そうした「新しい」ポップミュージックの細部や周辺を検分してみると、そこには常に過去の音楽が再解釈され、新たな文脈とともに再生されるという現象が絶え間なく起きていることが分かるという。

 なぜ「新しさ」を求めることで進化してきたように見えるポップミュージックの歴史において、このようなさまざまな過去の音楽の復権とそのブーム=リバイバルが繰り返されてきたのか。そして場合によっては、その最先端の潮流そのものを形作るような役割を担ってきたのか。

 本書では、ロックの源泉として語られ、折々にリバイバルしてきたブルースにはじまり、フォークやカントリーからポップパンクまで、あらゆるジャンルの事例を取り上げ、ポップミュージックにおける過去の復権とリバイバルの様相を追いながら、過去の音楽に惹かれる我々の志向の背景に迫る音楽テキスト。

(イースト・プレス 2860円)

【連載】時代を彩った名曲たち 懐かしの昭和歌謡本特集

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー