「鶴は戦火の空を舞った」岩井三四二著

公開日: 更新日:

「鶴は戦火の空を舞った」岩井三四二著

 明治42年、急速に進化する飛行機を軍でも活用するため、陸海軍合同で「臨時軍用気球研究会」なる組織が発足。国産機の開発も進み、明治45年夏から操縦士の訓練が始まる。陸軍の工兵中尉の英彦ら1期生は、徳川大尉や、民間から採用された教官・滋野男爵らのもとで操縦術を学ぶ。

 大正3年、第1次世界大戦が勃発。英彦らは中国の青島にあるドイツ軍の要塞を攻略するため出征する。当時の飛行機の任務は偵察が主だったが、敵機と空中戦を繰り広げた英彦は銃撃や爆撃の必要性を痛感。凱旋後に上層部に訴えるが聞き入れられない。それどころか操縦任務から外されてしまった英彦は、再び空を飛ぶため軍を辞め、海を渡った滋野男爵の後を追ってフランス軍に入隊する。

 破天荒な飛行機乗りの活躍を描く時代歴史小説。

(集英社 1034円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー