「鶴は戦火の空を舞った」岩井三四二著

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「鶴は戦火の空を舞った」岩井三四二著

 明治42年、急速に進化する飛行機を軍でも活用するため、陸海軍合同で「臨時軍用気球研究会」なる組織が発足。国産機の開発も進み、明治45年夏から操縦士の訓練が始まる。陸軍の工兵中尉の英彦ら1期生は、徳川大尉や、民間から採用された教官・滋野男爵らのもとで操縦術を学ぶ。

 大正3年、第1次世界大戦が勃発。英彦らは中国の青島にあるドイツ軍の要塞を攻略するため出征する。当時の飛行機の任務は偵察が主だったが、敵機と空中戦を繰り広げた英彦は銃撃や爆撃の必要性を痛感。凱旋後に上層部に訴えるが聞き入れられない。それどころか操縦任務から外されてしまった英彦は、再び空を飛ぶため軍を辞め、海を渡った滋野男爵の後を追ってフランス軍に入隊する。

 破天荒な飛行機乗りの活躍を描く時代歴史小説。

(集英社 1034円)

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