「サプリメントの正体」田村忠司著

公開日: 更新日:

「サプリメントの正体」田村忠司著

 世の中に効果の怪しい不誠実なサプリメントがあふれている理由は業界構造にある。できるだけ手早く儲けたい会社がSNS運営会社などと共同してオーバートークの魅力的なコピーを用いて利益追求をしているのだ。

 医療機関向けサプリメーカーの代表を務める著者だが、「タダで手に入った情報は誰かがその費用を負担したからあなたの目に触れた」と警鐘を鳴らす。「サプリメントに投資するお金があるなら、その分を八百屋さんと魚屋さんに」というように、健康に暮らすにはまず食事を見直すことが前提だという。

 その上で、それでも飲む価値のあるサプリメントと、その向き合い方を伝授。だるい、朝起きられないなどの「不定愁訴がある人」や「予防的に健康増進したい人」などさまざまな目的の利用者がいるが、基本的には「品質のいいマルチビタミン&ミネラル」を選べば問題ないと喝破する。

 ほかにも「睡眠障害の人には葉酸、ナイアシン……」「飲酒好きにビタミンB群、ビタミンC……」など、利用者目線で基礎から応用まで寄り添う一冊。

(東洋経済新報社 1650円)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  3. 3

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  4. 4

    米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 7

    大富豪の妻と離婚でファン離れ? イケメン既婚者俳優ディーン・フジオカの気になる今後

  3. 8

    自民×維新は連立早々に“成田離婚”も? 政策も理念も、「政治とカネ」に対する意識も、政治姿勢もバラバラ

  4. 9

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  5. 10

    首相補佐官に就く遠藤敬氏に世間は「Who?」…維新の国対委員長が連立政権「キーマン」のワケ