「悲母」武内昌美著

公開日: 更新日:

「悲母」武内昌美著

 中学受験の専門塾に通う小学6年のまどかが自宅マンションの非常階段から転落する。まどかは意識不明の重体が続き、警察からは事件とも事故とも発表がない。常に全国模試でトップの座を守り、年長者さえ見下すまどかには敵が多かった。

 塾で開かれた緊急保護者会で、保護者たちの陰口を耳にした大学生チューターの玲奈は、怒りがわく。実は受験生当時の玲奈もまどかと同じだった。しかし、挫折を味わった玲奈は、ある日、塾内で講師をやり込めるまどかを見とがめ、注意したことがある。以来、まどかは玲奈に心を許し、誰にも明かしていない夢を語ってくれた。その夢をかなえさせてあげたい玲奈は、真相を突き止めるために動き出す。

 中学受験に翻弄されるさまざまな家族の闇を描き出すミステリー。

(小学館 869円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋