新たな切り口で再発見 名画鑑賞が楽しくなる本特集

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「名画で読む『音楽の秘密』」中野京子著

 時代背景や構図、色使い……。名画を楽しむために必要な知識はさまざまだが、まったく別の切り口で眺めてみると、意外な魅力の発見に役立つかもしれない。今回は、音楽やインテリア、旅するように絵画を楽しむなど、新たな切り口での名画鑑賞に役立つ4冊をピックアップしたぞ。



「名画で読む『音楽の秘密』」中野京子著

 名画に隠された恐怖の物語を浮き彫りにし、ベストセラーとなった「怖い絵」の作者による新作。視覚芸術たる絵画に、音や音楽が込められた名画45作品を解説している。

 例えば、ジャン=フランソワ・ミレーによる「晩鐘」。若い農民の夫婦が夕暮れの畑で祈りを捧げている。足元にある手籠には貧民の主食であるジャガイモが入っているが、満杯にはなっていない。貧しくとも信心深い夫婦の背景には、尖塔が描かれている。2人を包み込む教会の鐘の音が聞こえてきそうだ。

 ピーテル・ブリューゲルの「死の勝利」にも音楽が満ちている。ペスト禍と戦禍の町並みに広がる地獄絵図。ところが、宮廷では音楽を楽しむ貴婦人が描かれている。そして、彼らの背景にはギターを伴奏する髑髏の姿が。市民の阿鼻叫喚は聞こえない上流階級たちの耳に、どんな音楽が聞こえているのだろうか。

 音楽表現という新たな視点で絵画を楽しめる良書だ。 (祥伝社 2090円)


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