著者のコラム一覧
大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

故井上堯之氏は映画史上屈指の名曲を遺した“異端の音楽家”

公開日: 更新日:

 グループサウンズの代表的なバンドであったスパイダースの元メンバーにしてミュージシャンの井上堯之さんが2日、亡くなった。享年77。筆者はグループサウンズの大ファンで、10代の前半から彼らのサウンドをむさぼるように聴いていた世代だ。

 グループサウンズ全盛時、実のところメインボーカルではない井上さんの印象は強くなかった。ただ後年になり、テレビドラマ映画の音楽で頭角を現したころから、彼の存在がどんどん大きくなっていった。

 映画音楽の極め付きは「青春の蹉跌」(74年)と「アフリカの光」(75年)だろう。どちらも萩原健一が主役だ。当時のショーケンは時代の寵児だった。ぼそぼそっとしたしゃべくり、世をすねたようなとっぴな行動、そして、ぶっきらぼうな女との関わり方。すべて、格好が良かった。

 そんなショーケンの背後に流れるのが、井上さんの音楽だった。これが見事にショーケンの立ち居振る舞いにフィットしていた。「アフリカの光」のエンディング、ギターソロから入る物悲しくも力強い音質は、映画史上屈指の名曲といっても過言ではない。井上さんの楽曲は覚えやすくリズミカルで、作品をとにかく光り輝かせた。

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