てれびのスキマ 戸部田誠
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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

悩んだ果てに…青山テルマが解いた「そばにいるね」の呪縛

公開日: 更新日:

 小6まで奈良ですごした青山は、12歳からロサンゼルスに移住。最先端の音楽に触れて育つと、やがてその歌唱力でミュージシャンを目指すようになり、子供向け英会話番組のお姉さん役を経て、念願のメジャーデビューを果たした。だが、大ヒットした「そばにいるね」が彼女を苦しめることになる。

「『そばにいるね』の青山テルマ」を汚してはならないと、メディアでの言動はもちろん、ネイルや着る服に至るまで制限された。自分自身も、バラエティー番組が好きすぎる故、自分なんかがそこに出てはいけないと出演NGにしていた。

 けれど、そうやって自分を偽っているのが耐えられなくなっていった。自分がやりたいようにやらないと、やっていて面白くない。だったら、もう辞めようと思うまでになってしまった。

 でも、どうせ辞めるなら、自分のやりたいようにやってみてからだと思った。そう思ったら「私に求められているのはバラードだ」とか、「アーティストとしてはこうでなくちゃいけない」とか、そういう変なプライドが全くなくなった。

「『プライドって金になんねーな』とも思います」「『青山テルマはこうじゃなきゃ』みたいなものを押し付けるよりも、『みんなで青山テルマを楽しもう』みたいな精神になったときに、昔15歳で事務所に入った頃の『音楽って楽しい』という気持ちを取り戻したような気がしたんですよね」(ジャパンミュージックネットワーク「BARKS」18年5月29日)

 悩み抜いた果てにたどり着いた「楽しもう精神」によって青山テルマは、いま自分自身を解放し、覚醒したのだ。

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