<6>四ツ谷駅で通りがかりの郵便配達員に円歌の家を尋ね…

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 母親同伴で再度師匠宅を訪ねると、円歌夫人の和子が、「真面目でいい子みたいじゃないの。しばらく置いといて様子を見ましょう」と口添えしてくれた。

「後でわかったことですが、おかみさんはその当時すでにがんの末期で、師匠だけがそのことを知っていたようです。亡くなった後で師匠から伺いました。『おまえを見る目がうれしそうで、あんな和子を久しぶりに見た。弟子にすることがあいつの慰めになるかもと思って弟子に取ったんだ』と」

 内弟子ではなく通い弟子ということで、賢は川口の叔母夫婦の家に寄宿し師匠宅に通うことになった。見習いだから芸名はない。しばらくは掃除と犬の散歩の係をしていた。

「ある日、師匠に呼ばれて、『おまえの芸名を決めた。歌吾だ』と言われました。その場で色紙に、『命名 三遊亭歌吾』と書いてくださいました。感激の瞬間でしたね」

 念願の落語家になったのである。 

(つづく)

(聞き手・吉川潮

▽本名・野間賢。1959年、鹿児島県生まれ。高校卒業後の78年に3代目三遊亭円歌に入門。前座名は歌吾。82年、二つ目昇進。三遊亭きん歌と改名。87年、先輩18人抜きで真打ち昇進。初代三遊亭歌之介となる。19年、4代目三遊亭円歌を襲名。

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