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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

憧れの先輩芸人の「心と技」を受け継ぐ有吉弘行のトーク術

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「内村プロデュース」(テレビ朝日)への出演チャンスを掴むと、なぜか全裸で登場する「猫男爵」という人気キャラを生み出したり、いきなり砂を食べるという“奇行”を演じたりした。インパクトを残し、これまではほとんどなかった、男性ファンからの支持を得るようになったのだ。

 今では体を張ることはほとんどなくなったが、そのトーク術にはリアクション芸から学んだことが生かされている。

 上島の持論である「リアクション自体はそれほど大したことなくても、そのひと言でポンとハマったら面白く見える。だから、俺の中で最後のひと言には結構こだわる」(竹書房・上島竜兵著「これが俺の芸風だ!!」05年8月1日発売)に従うように、有吉は「大事なのはトドメを刺すことだからね。のらりくらりやって、トドメだけバシッと刺さないといけない」(テレビ朝日「マツコ&有吉の怒り新党」13年8月28日)と、トークでも最後のひと言にこだわる。

 そして、その直後には上島や出川が最後に可愛げのある表情で笑いを誘うように、必ず飛び切りの笑顔を見せる。自らの武器を「毒舌と笑顔のバランス」(フジテレビ「キカナイトF」12年8月24日)だと語っていた。有吉は“憧れ”のリアクション芸人の「心と技」を受け継いだのだ。

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