米アカデミー賞大本命 映画『オッペンハイマー』は「日本人こそ必見」の理由

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 クリストファー・ノーラン監督(「ダンケルク」2017年)はCGを極力使わず、アナログ的な撮影で大スペクタクルを撮影することで知られる。ところが本作は原爆投下後の広島・長崎の惨状はおろか、真珠湾攻撃や東京大空襲、ナチスのユダヤ人迫害に至るまで、戦争映画ならあるべき悲劇的なシーンをあえて見せ場として描いていない。

「あらゆる国の被害感情を刺激しなかったことで、“戦争を早く終わらせた”という米国の原爆政策の欺瞞性だけが浮き彫りになっています。こうしたテーマの映画が米国で大ヒットしたのは驚くべきことですが、現実にロシアが同じ理由でウクライナに核使用をチラつかせたことで、米国人の多くもようやく目が覚めたのかもしれません。本作がオスカーを取ったら、ある意味、歴史的な転換点になるのでは」(前田氏)

 日本人こそ必見といわれる本作。紆余曲折あったものの、作品賞の受賞となれば、最高のタイミングでの日本公開となる。

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