著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

ばんばひろふみさん「『いちご白書』をもう一度」誕生秘話から見えた彼の人柄

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ユーミンへの感謝とリスペクトが言葉の端々に感じられた

 それから1週間ほどして(記憶では)できてきたのが、あの名曲。

「凄い! 俺らには絶対ない感性。頼みに行って良かったと心の底から思いましたよ」

「ばんばんに歌わすために作っといたみたいな曲ですもんね」

「そうでしょう? ユーミンてホンマに凄いよ!」

「本人が歌ってたらもっと売れたやろね」

「そら売れたやろね……コラッ!」とひとりノリツッコミ。その後のヒット曲「SACHIKO」も「あれもユーミンに頼んだん?」「なんとかもう一曲……てー、コラッ~! あれは俺が作ったんや!」と大爆笑。

 冗談を交えながらもユーミンへの感謝とリスペクトが言葉の端々に感じられました。恩人とはいえ同世代のミュージシャンの才能を素直にリスペクトされている姿に、ばんばんの人柄、人気のある理由を見た瞬間でした。

 数年後、ばんばんの番組に「NSCの伝説の講師」として呼んでいただきました。打ち合わせから私が気遣っていただいたのはもちろん、スタッフへの気遣いがちょっとした言葉遣いや優しいアイコンタクトにも表れて“ひとりじゃない、みんながいるから仕事ができているんだ”という、いつもNSCの生徒たちに言っていることを体感でき、とても心地よい時間をすごさせていただきました。

 70代の半ばを迎えられましたが、まだまだ「ばんばん節」を聴かせていただきたいと思います。

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