ばんばひろふみさん「『いちご白書』をもう一度」誕生秘話から見えた彼の人柄
ユーミンへの感謝とリスペクトが言葉の端々に感じられた
それから1週間ほどして(記憶では)できてきたのが、あの名曲。
「凄い! 俺らには絶対ない感性。頼みに行って良かったと心の底から思いましたよ」
「ばんばんに歌わすために作っといたみたいな曲ですもんね」
「そうでしょう? ユーミンてホンマに凄いよ!」
「本人が歌ってたらもっと売れたやろね」
「そら売れたやろね……コラッ!」とひとりノリツッコミ。その後のヒット曲「SACHIKO」も「あれもユーミンに頼んだん?」「なんとかもう一曲……てー、コラッ~! あれは俺が作ったんや!」と大爆笑。
冗談を交えながらもユーミンへの感謝とリスペクトが言葉の端々に感じられました。恩人とはいえ同世代のミュージシャンの才能を素直にリスペクトされている姿に、ばんばんの人柄、人気のある理由を見た瞬間でした。
数年後、ばんばんの番組に「NSCの伝説の講師」として呼んでいただきました。打ち合わせから私が気遣っていただいたのはもちろん、スタッフへの気遣いがちょっとした言葉遣いや優しいアイコンタクトにも表れて“ひとりじゃない、みんながいるから仕事ができているんだ”という、いつもNSCの生徒たちに言っていることを体感でき、とても心地よい時間をすごさせていただきました。
70代の半ばを迎えられましたが、まだまだ「ばんばん節」を聴かせていただきたいと思います。