専門医が解説 がん細胞だけを攻撃する最新放射線治療とは

公開日: 更新日:

 手術に代わるがん根治療法として期待されるがん放射線治療法に、新たな「武器」が加わりそうだ。その名も「ホウ素中性子捕捉療法」(BNCT)。隣接する正常細胞を傷つけずにがん細胞だけをピンポイントで攻撃できる優れもので、世界最先端の技術だ。従来の放射線治療とは何が違うのか。来年度後半からの臨床研究を計画している、国立がん研究センター中央病院放射線治療科長の伊丹純医師に聞いた。

■正常細胞と混在する細胞もピンポイント攻撃

「この治療法は、がん細胞に取り込まれやすい特定の“ホウ素”化合物を体内に注入し、がん細胞に十分なホウ素を蓄積させたタイミングで体の外側から中性子を照射。がん細胞の中でホウ素と中性子を衝突させることで生じる重粒子線によって、がん細胞を内部から死滅させるものです」

 BNCTは、従来の放射線治療のように「体の外側からX線、重粒子線、陽子線といった高いエネルギーを持った粒子を直接、がん細胞にぶつけて死滅させる」ものではない。そのため、照射にはエネルギーが低い中性子が使われ、ターゲットとなるがん細胞に到達するまでの正常細胞を傷つけるリスクも少ないという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    小泉進次郎「無知発言」連発、自民党内でも心配される知的レベル…本当に名門コロンビア大に留学?

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    9日間の都議選で露呈した「国民民主党」「再生の道」の凋落ぶり…玉木vs石丸“代表負け比べ”の様相

  5. 5

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  1. 6

    野球少年らに言いたい。ノックよりもキャッチボールに時間をかけよう、指導者は怒り方も研究して欲しい

  2. 7

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    28時間で150回以上…トカラ列島で頻発する地震は「南海トラフ」「カルデラ噴火」の予兆か?

  5. 10

    自転車の歩道通行に反則金…安全運転ならセーフなの? それともアウト?