過剰摂取は健康に悪影響 「ビタミンD」はどう取るべきか

公開日: 更新日:

 他にも、血液中のビタミンD濃度が低い人は、「心筋梗塞などの心疾患を発症するリスクが高い」「2型糖尿病の発症率がアップ」「うつ病の発症リスクが上昇する」といった研究報告がある。また、ビタミンDの不足は、がん、呼吸器疾患、自己免疫疾患などとも強く関係しているともいわれている。ビタミンDは、健康にとって重要なビタミンなのは間違いない。

■肝臓に蓄積

 しかし、だからといってビタミンDを必死になって摂取するのは大間違いだ。県立広島大名誉教授で、東北女子大教授の加藤秀夫氏(時間栄養学)は言う。

「ビタミンDは水に溶けない脂溶性のビタミンなので、尿では体外に排出されません。そのため、過剰に摂取すると肝臓に蓄積して悪影響を与える可能性があります。また、ビタミンDは血液中のカルシウム濃度を一定に保つ働きがある。ビタミンDだけが過剰になってカルシウムが足りていないと、骨を溶かしてカルシウムを動員し、濃度を一定に保とうとします。これが長期間続くと、骨が強くなるどころかスカスカになってしまうのです」

 ビタミンDの過剰摂取によって血液中のカルシウム濃度が上昇すると、心臓、肺、胃、腎臓、血管、筋肉などに、カルシウムが沈着しやすくなる。腎臓に付着すると石灰化して腎結石ができてしまったり、腎機能が障害を起こし、腎不全になるケースもある。腎臓に蓄積したカルシウムの影響で血液の濾過ができなくなり、尿毒症を招いて命に関わることもある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情