病気リスクも減らす可能性 「遺伝子検査」の正しい使い方

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 他に遺伝性乳がんや卵巣がんの原因遺伝子が有名だ。米国の有名女優、アンジェリーナ・ジョリーがこの2つの遺伝子の変異を見つけたことで、将来のがんに備えて乳房を切除したことを覚えている人も多いだろう。

 一方、単一遺伝子病以外を「遺伝子多型」と呼ぶ。

「遺伝子検査は、DNAから遺伝子を分析し、塩基の配列などを調べます。現在、医療機関で行われているのは、乳がん検査や母親のお腹の中にいる赤ちゃんの遺伝性の異常を調べる出生前検査、薬が効きやすい体質かを調べる検査など。民間機関が行うのは、発症リスクは高くないものの、多くの人が持っている疾患感受性遺伝子多型の検査です」(前出の大学病院勤務医)

 ここで気をつけなければならないのは、民間機関の遺伝子検査は、検査結果から推定される各社独自のアルゴリズムに基づく傾向、リスクについてのアドバイスであること。あくまでもその利用の仕方には明確な指針がなく、検査を受ける人に任されている点だ。

「比較的簡単にできるため、一度、遺伝子検査を受けることは一定の意義があります。ただ、現時点ではその結果に一喜一憂する必要はありません。あくまでも、その目的は病気にならないための生活習慣を確立するための動機付けと割り切ることが大切です」(石原院長)

 遺伝子によって生活習慣を変える。これがこれからの健康法なのかもしれない。

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