手術不能の肺がんに新薬登場 今後の治療はどう変わる?

公開日: 更新日:

 手術ができない進行・再発肺がん(非小細胞肺がん)の新しい抗がん剤が承認された。これによって肺がん治療はどう変わっていくのか?

 今回の新薬は「ラムシルマブ(商品名サイラムザ)」。がん細胞に栄養を供給する血管が新しくできるのを阻害し、増殖を抑える。試験では新薬によって、「奏効率・病勢コントロール」「無増悪生存期間」「全生存期間」のすべてが延びた。神奈川県立がんセンター呼吸器内科医長の加藤晃史医師は「混沌とした戦国時代に、新薬がひとつの答えを出した」と話す。分かりやすく説明していこう。

■臨床の現場で効果を実感

 手術ができない肺がんは「抗がん剤(+肺がんのステージによっては放射線)」が標準治療だ。残念ながら初回の治療で治癒する人はまれで、99%が数年以内に再発する。

「そのため2次治療、3次治療まで見越して初回治療を行います」

 2次治療の王座のような立場にいた抗がん剤が「ドセタキセル」だ。単剤で用いられてきたが、別の薬との併用で全生存期間を延ばせないか? さまざまな薬の試験が行われてきたが、「これぞ」という結果が出てこなかった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    突然告げられた強制米留学、現地では毎日ドミニカ人全員に飯を奢り続け、球団の領収書を切った

  2. 2

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  3. 3

    全英V山下美夢有の「凱旋フィーバー」は望み薄…6年前の渋野日向子と決定的な違いとは?

  4. 4

    酷暑の大阪万博会場を歩いたら“地獄”だった! 午後の気温は40度近く、大屋根リングはガラガラ

  5. 5

    中山美穂「香典トラブル」で図らずも露呈した「妹・忍」をめぐる“芸能界のドンの圧力”

  1. 6

    長渕剛がイベント会社に破産申し立て…相次ぐ不運とトラブル相手の元女優アカウント削除で心配な近況

  2. 7

    東洋大姫路(兵庫)岡田監督「大学からは『3年で』と言われたけど、ナンボ何でも無理ですと」

  3. 8

    山下美夢有が「素人ゴルファー」の父親の教えでメジャータイトルを取れたワケ

  4. 9

    中村芝翫に別れたはずの愛人と元サヤ報道…夫が不倫真っ只中でも妻・三田寛子は家族写真投稿の複雑胸中

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希“ゴリ押し”ローテ復帰が生む火種…弾き出される投手は堪ったもんじゃない