著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

治療しない選択肢も 平尾誠二氏の命奪った胆管がんの知識

公開日: 更新日:

 ネットなどでは、昨年のW杯の解説中に映った激ヤセした平尾さんの姿が話題になりました。通常なら試合会場の解説席に座るはずですが、東京のスタジオでタレントと並んでいたことから、当時から健康不安説が取りざたされています。今から考えると、胆管がんが進行していたことがうかがえます。

 肝臓がんのうち9割を占める肝臓そのものにできるタイプは、肝炎ウイルスが原因で、ウイルス除去の治療を受ければがんへの進展を食い止めることが可能です。ところが、胆管がんは生活習慣との関連も不明で治療が難しい。

 ほかの臓器や重要な血管などとの位置関係から手術が難しく、たとえできても5年生存率は3割ほど。肝臓の内部やリンパ節、骨、肺などに転移があると行われる抗がん剤治療は、奏効率が1~2割。がんの中でも手ごわいタイプです。斉藤さんは、全日本体重別選手権で姿を見せてから2カ月後の訃報でした。

 では、どうするか。川島さんは生前、「仕事を休みたくないから抗がん剤は嫌」とブログにつづっていて、亡くなる直前まで舞台に立っていたのは記憶に新しいでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  3. 3

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  4. 4

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 5

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  1. 6

    山本淳一は「妻をソープ送り」報道…光GENJIの“哀れな末路”

  2. 7

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  3. 8

    巨人・岡本和真が狙う「30億円」の上積み…侍ジャパン辞退者続出の中で鼻息荒く

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    光GENJIは全盛期でも年収3000万円なのに…同時期にジャニー&メリーが3億円超稼げていたワケ