著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

体重への偏見は肥満者の健康を悪化させる

公開日: 更新日:

 肥満の人が、その体形を理由に非難されると、体重に対する偏見を自分へと向けてしまう(肥満を恥じて自分を責める)ことがあるそうです。これを「体重偏見の内在化」と呼びます。

 本来、体形を理由に非難することは差別的な行為であり、許されることではありませんが、「米国肥満学会誌」(2017年2月号)に体重偏見の内在化とメタボリックシンドロームの関連について検討した論文が掲載されました。

 メタボリックシンドロームとは肥満体形に加えて、「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」のいずれか2つを有している状態を指します。

 この研究では、体重偏見の内在化に関するアンケート調査に回答した159人(平均44歳)が解析対象となりました。体重偏見の内在化は1~7点で評価され、点数が大きいほど内在化の度合いが高い、つまり肥満について強く恥じていることを意味します。なお、被験者の平均BMI[体重/(身長×身長)]は平均で41.1でした(日本人の40代における平均BMIは24)。

 研究の結果、体重偏見の内在化の度合いが高い人たちでは、メタボリックシンドロームの診断基準を満たす傾向にありました。また、補足の解析では内在化の度合いが低い人に比べて、高い人でメタボリックシンドロームが約3倍多いという結果でした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景