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佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

死亡者数が最多 肺がんを減らすにはまだまだ時間がかかる

公開日: 更新日:

 肺がん患者は男性が圧倒的に多く、65~70%を占めています。そうした時代を過ごされて高齢になり、発症された方がたくさんいらっしゃいます。いま喫煙者が減ったとしても、すぐには肺がんが減ることはないのです。

 大きな問題は、1年間にがんと診断される患者さんの数は肺がんよりも大腸がん胃がんの方が多いのに、亡くなる患者さんは肺がんが一番多いということです。大腸がん、胃がんは早期診断によって内視鏡で切除できる患者さんが多いこともその理由のひとつとして挙げられます。しかし一方で、肺のX線検査はとても簡便ですし、早期で見つかれば肺がんでも80%の方は治癒します。

 それだけ、検診が浸透していないと考えられます。

 私の先輩医師も、たくさん肺がんで亡くなりました。みなさん愛煙家でした。長く親しくお付き合いいただいたRさん(男性・74歳)は、お会いした時はいつも灰皿に吸い殻がいっぱいでした。仕事を辞めるまでは、がん検診を毎年受けていましたが、その後は受けていませんでした。


 5カ月ほどときどき咳き込むことが続き、下肢がむくんで病院で診察を受けた時は、担当医から「胸部に径10センチの腫瘤があり、肺がんです。手術などのがん治療はもう無理な状態です」と説明されました。

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