糖尿病の激増は地球温暖化が原因か

公開日: 更新日:

 慢性疾患を持っている高齢者は高温化への対応が難しい、と改めて思い知る話ですが、最近、さらに興味深い研究論文が発表されました。「人は地球温暖化の影響で脂肪が燃えにくい体に変化しており、それが原因で糖尿病が増えている」というのです。

 オランダの「ライデン大学医療センター」などの研究によると、米国では気温が1度上昇すると糖尿病の発症率が1000人当たり0.314人増加して、耐糖能異常の比率が0.17%も増えたそうです。理由は「脂肪を燃焼させて体温を維持する褐色脂肪細胞が高温により減少したから」だというのです。

 むろん、世界的な糖尿病患者の激増を高温による褐色脂肪細胞の減少だけで説明するのは乱暴だと思います。世界中が飽食になったことや、高温により感染症をもたらす生き物が活発になって感染症が広がり、それにより遺伝子に変化が起きて、糖尿病が増えたのかもしれません。可能性はいくらでも考えられます。

 ただ、世界保健機関(WHO)の発表では、成人の糖尿病患者数は1980年の1億800万人から、2014年には4億2200万人と激増しているのは確かです。糖尿病が「過食」と「運動不足」だけでは語れなくなっているのも事実なのです。

【連載】当事者たちが明かす「医療のウラ側」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも