著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

肝臓がんの年齢調整死亡率 今世紀に入り男女とも3分の1に

公開日: 更新日:

 肝臓がんは新規患者数、死亡数ともに現在5位につけています。他の臓器がんとは異なり、患者数は実数でほぼ横ばい、高齢化の影響を除いた年齢調整罹患率は減少しています。また、死亡数は実数で減少、年齢調整死亡率は激減中です。表に数字をまとめました。

 2012年の新規患者数は、男性約2万9000人、女性約1万5000人で、男女比は2対1です。肝臓がんは数種類に分類されますが、ほとんどが「肝細胞がん」。これは慢性肝炎、とりわけウイルス性肝炎によって引き起こされるもので、原因の60~70%がC型肝炎、15~20%がB型肝炎、残りがアルコール性肝炎などとなっています。

■感染対策の勝利 治療法の発達も寄与

 日本人のB型・C型肝炎の最大の感染源は、子供の予防接種における注射器の使い回しです。筆者も小学生時代に何度も経験しましたが、1本の注射器を4~5人に刺していたと記憶しています。当時、「1人目は痛いが、後になるほど針が滑らかになり痛みが弱まる」と言われていたのを覚えています。また、出生時に母子感染することもあります。近年は薬物中毒者による注射器の使い回しで感染するケースが多く、両方の肝炎とHIV(エイズウイルス)の3つに同時感染している人もいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言