著者のコラム一覧
伊東春樹循環器専門医

日本循環器学会専門医、日本心臓病学会(上級臨床医、FJCC)。「けやき坂医科歯科クリニック」非常勤。

死亡率が大幅減少 狭心症治療は「心臓リハビリ」が必須

公開日: 更新日:

 しかし、その場所以外に複数ある、次の狭心症や梗塞を起こすプラークを安定化させたり、治したりといった“動脈硬化症自体の治療”という役割は担えない。カテーテル治療で症状がなくなったからといって今までと同じ生活習慣を続ければ、動脈硬化が進行し、狭心症は早ければ2~3年で再発する。生命予後は改善しない。

 動脈硬化症の進行を止める、ないし改善するには、酸化ストレスを減らすよう生活習慣を改める必要がある。最も効果的なのは禁煙と運動だ。

 ただし、その人にとって強すぎる運動は、薬と同様に副作用もある。

 どういった運動がいいか、その強さ、時間、回数などは各人の状態によってそれぞれ違う。運動負荷試験という検査を行い、その人に合った安全で効果的な「運動処方」を出し、それに従って実施するのがよいとされる。

「4万4000人の男性を12年間追跡調査した結果では、若い頃の強い運動がトータルで2000時間を超えると、運動しない人より心房細動(脳梗塞の原因となる不整脈)を起こすリスクが明らかに高くなるという結果が出ています。また、中高年では強すぎる運動は整形外科的障害ばかりではなく、動脈硬化や心肥大など血管や心臓病の原因になります」
(おわり)

【連載】動脈硬化に勝つ

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず