公費による中学生のピロリ菌検診・除菌になぜ慎重論が?

公開日: 更新日:

 胃がんとの関連性がハッキリしているのがヘリコバクター・ピロリ菌(以下、ピロリ菌)だ。近年、中学生にも公費で検診・除菌治療を行う自治体が増えつつある。親はそれをどう考えるべきか? 専門家に聞いた。

 がんができる前にピロリ菌を除菌すれば、胃がん予防につながる。成人(一般的に高校生以上)では、内科医が内視鏡検査で胃炎の確定診断をし、その後ピロリ菌感染と診断されると、除菌治療が保険適用になる。

 一方、中学生までは小児科の領域。そして小児科医は、中学生へのピロリ菌検診と除菌に関して、慎重な姿勢を示す人が多い。「日本小児栄養消化器肝臓学会」の「小児期ヘリコバクター・ピロリ感染症の診療と管理ガイドライン」改訂を担当した順天堂大学大学院医学研究科・清水俊明主任教授が言う。

「一番の問題は、除菌治療が小児に対して保険適用がない点です。『公費で補うならいいのでは』との声もありますが、お金の問題ではない。保険適用がないということは、安全性が認められていないということ。現段階では重篤な副作用の報告はないものの、今後もそうとは限りません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」