著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

インフルエンザワクチンを打つと免疫が低下する?

公開日: 更新日:

 インフルエンザが本格的に流行する季節となりました。皆さんはもうワクチンを打ちましたか? ワクチンは科学的にその効果が確認されている、インフルエンザの予防法です。ただ、今使用されているワクチンはスプリットワクチンといって、実際にインフルエンザにかかった時に体がつくる免疫と比べると、その効き目は弱いものなので、毎年打たないと効果が持続しません。

 2009年の「新型インフルエンザ」騒動の時に、「毎年ワクチンを打っていると、新型インフルエンザにかかりやすくなるのではないか」という意見が、まことしやかに広がったことがありました。これは必ずしも事実無根ではなくて、動物の実験や免疫不全のお子さんでは、インフルエンザワクチンを繰り返し接種すると、細胞性免疫という体の免疫の一部が、弱まることが報告されているのです。これは免疫不全のお子さん以外にも、成り立つことなのでしょうか? 昨年の感染症の専門誌に、この疑問に答える論文が掲載されました。

 それによると2009年の「新型インフルエンザ」に対するワクチンを免疫に異常のない人に繰り返し接種すると、細胞性免疫も活性化することが確認されています。その仕組みはまだ不明ですが、インフルエンザワクチンを打つと新型インフルエンザにかかりやすい、というのは間違った考え方であるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」