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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

CM出演の山下弘子さん25歳で死去も…肝臓がんは予防できる

公開日: 更新日:

 B型は肝臓がん全体の1~2割で、C型は7割ですから、数の上ではC型が圧倒的です。

 輸血などで感染するC型は、薬剤でウイルスを駆逐できる可能性が高くなっています。ハーボニーなどを服用すれば、9割以上の確率でウイルスが消滅するのです。

 一般にC型肝炎に感染すると、70%が肝炎を発症。30~40%はおよそ20年かけて肝硬変に進み、そのうち年率7%が肝臓がんになるといわれています。

 治療でウイルスが消滅すれば、この悪い流れを断ち切ることができるのです。このことを頭に入れておいてください。ウイルス由来の肝臓がんは予防できるのです。

 血液製剤による悲劇が繰り返された反省から、輸血用製剤はウイルス除去がしっかり行われるようになりました。それで肝炎や肝硬変が減り、肝臓がんの年齢調整死亡率はピーク時より半減しています。もっと減らすには自己防衛です。

 そのためには、B型とC型の肝炎ウイルスの有無をしっかり調べておくことが欠かせません。検査は保健所で無料で受けられます。知らない方は、ぜひ。

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