著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

大橋純子さん公表の食道がん 化学放射線療法なら通院でOK

公開日: 更新日:

 不幸中の幸いといえるでしょう。歌手の大橋純子さん(67)のことです。先月中旬に胃カメラ検査を受けたところ、たまたま食道がんが見つかったと報じられました。食道の中間部分に「怪しい」組織を指摘され、再検査を受けたところ、ステージ1の腫瘍が見つかったといいます。

「すぐに治療にかかれば根治できる」

 そう説明され、治療に専念すべく、年内の仕事はすべてキャンセルしたそうです。

 ごく早期で、転移もなく、歌手生命を左右する声帯には、影響がなかったのは何よりです。

 食道の周りには、リンパ管が多くあります。一般に臓器は、漿膜と呼ばれる膜で覆われ、がんの増殖過程ではそれが“防波堤”になるのですが、食道には漿膜がありません。その2つの事情から食道がんは、早い時期から転移を起こしやすいのです。

■仕事を辞めてはいけない

 胃がんは、6割がステージ1で見つかりますが、食道がんは24%。食道がんが進行した状態で発見されやすいことが、うかがえます。そんな手ごわいがんを告知されたのですから、治療に専念する気持ちは、理解できます。患者心理とすれば、当然でしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった