著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

コーヒーやお茶のカフェインは動脈硬化を予防する?

公開日: 更新日:

 カフェインはコーヒーやお茶に多く含まれている生理活性物質です。眠気覚ましのような効果があり、少し興奮作用があることから、栄養ドリンクなどにも入っています。心臓を刺激して、血圧や脈を上げたり、不整脈を起こしやすくするような危険も指摘されています。 

 こうしたカフェインの特徴からは、心臓にあまり良くないと考えられるのですが、その一方でコーヒーを毎日飲む人は、寿命が長く、動脈硬化の病気も少ない、という調査結果が、国内外を問わず報告されています。ただ、それがコーヒーだけの特徴なのか、それともそこに含まれているカフェインの効果なのか、という点については、あまり分かっていませんでした。

 今年の「メイヨー・クリニック紀要」という医学誌に、カフェイン自体の摂取量と、動脈硬化の進行との関係を分析した論文が掲載されました。

 それによると尿へのカフェインやその代謝物の量が多いほど、動脈硬化の指標が抑制されていました。これはアメリカの研究で、カフェインのほぼ7割はコーヒーからとされていますから、コーヒーを飲むこととカフェインを摂取することは、同じ働きがあると考えてよさそうです。カフェインは大量に取れば中毒を起こすこともありますから、たくさん取ればそれだけ良い、ということではないのですが、1日に数杯のコーヒーやお茶を楽しむことは、動脈硬化の予防にもなると考えてよさそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々