肺がんⅢ期も治療可能に 「放射線・抗がん剤治療」最前線

公開日: 更新日:

「しかし今、Ⅲ期は放射線と抗がん剤で“治癒”を目指せます。Ⅲ期の多くは遠隔転移で再発するので、それを抑えるのが重要になります」

 抗がん剤は、1980年代に登場した「第2世代(シスプラチン、ビンデシンなど)」、90年代以降の「第3世代(パクリタキセル、ビノレルビンなど)」がある。2つを比較すると、単剤投与では第3世代の方が効果が高い。

 ところが、放射線との併用では、「どっちが良い、悪いというのが出ない。多くの研究結果が、どの抗がん剤でもほぼ同じ結果です。患者に合わせて抗がん剤を選択し、放射線と組み合わせて治療している」。

 2000年以降、開発されたのが分子標的薬(ゲフィチニブ、クリゾチニブなど)だ。

 患者の遺伝子変異に応じた薬を選んで投与するため、より的確にがんを攻撃でき、肺がんの治療成績を大きく向上させた。

「放射線と併用すればもっと効果が高いのでは? そう考え研究が始まりましたが、ゲフィチニブをはじめ多くの分子標的薬は、薬剤性の肺障害を起こし肺にダメージを与える。危険すぎて使えないとなった」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」