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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

<6>血液型で抵抗力にも差が 病気と世界の分布

公開日: 更新日:

 ではB型はどうでしょうか。B型が多いのは、ユーラシア大陸の南側。とりわけインド東部からベトナムにかけての東南アジアが中心です。実はこの地域は、昔からマラリアの汚染地帯であると同時に、コレラの故郷でもあるのです。世界的なコレラの流行は、必ずこの地域から始まっています。

 ところがB型は、コレラに強いのです。コレラ菌は大腸に寄生して、コレラ毒素をまき散らします。それによって腸粘膜が破壊され、激しい下痢で衰弱死に至るのですが、なぜかB型は、コレラ毒素に対する抵抗力が強いのです。一方、O型はコレラを苦手としています。なおA型はどちらもダメ。

 かくして東南アジアでは、O型とB型の割合が高くなっているのです。それぞれ3~4割を占めて、均衡を保っており、A型は少数派です。

 血液型は、人類が厳しい自然環境や感染症から生き残るために獲得した形質です。世界の血液型分布は、人類が生存のために費やした、進化の記録をとどめているのです。

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