著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

<7>膵臓がんになりにくい? B型は1.72倍も高いのに

公開日: 更新日:

 O型血液は、マラリアへの対抗手段として生み出されたものですが、副産物として「血液が固まりにくい」という形質も獲得しました。

 このことは、O型が他の血液型よりも静脈血栓症や心筋梗塞などになりにくい、という思わぬメリットをもたらしました。しかしその一方で、外傷などの出血が止まりにくく、失血死に至るリスクが高いという不利益にもつながっています。

 ところがそれだけでなく、O型は「がんにかかりにくい」という性質も獲得しているのです。

 もちろんすべてのがんというわけではありません。世界的にコンセンサスが得られているのは、いまのところ膵臓がんと胃がんです。

 その他のがんでは、O型が有利とする研究結果もありますが、差はほとんど見られないとする研究結果も多く、コンセンサスは得られていません。

 膵臓がんに関しては、2009年に出たアメリカの国立がん研究所の論文が有名です。

 医療従事者10万7000人に、約9年間にわたって追跡調査するという大規模な研究でした。この間に316人が膵臓がんを発症。対象者と発症者の血液型分布から、O型と比較して、B型のリスクが1・72倍、AB型が1・51倍、A型が1・32倍も高いことが明らかになったのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因