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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

“鉄人”衣笠氏は右側…大腸がんは発生部位で生存期間が違う

公開日: 更新日:

 部位別の発生率は、直腸が4割と最多で、左側が7割。左側の大腸がんは、病期がそれほど進行していなくて、比較的小さい腫瘍が多いのに対して、右側は進行していて、大きな腫瘍が多いのが特徴です。右側の方が発見が遅れやすいためではないかと考えられていましたが、左右でがんに関わる遺伝子異常にも違いがあることが分かってきました。

 発見が遅れやすいというのは、右側の方が肛門までの距離が長く、出血した血液が酸化して黒くなりやすい。鮮血が出る左側の直腸がんより分かりにくいとみられていましたが、そんな発見しにくさだけでなく、遺伝子異常の影響もあるということです。

 では、どれくらい生存期間が異なるか。米カリフォルニア大などの研究チームは、右側にできた293人と左側にできた732人を追跡。生存期間の中央値は、左側が33・3カ月でしたが、右側は19.4カ月でした。大腸がん患者110人を解析した日本の研究では、左が36.2カ月で、右は12.6カ月と、2年近い開きがあったのです。

 衣笠さんの発生場所は上行結腸で右側。人工肛門を余儀なくされたものの大腸がんを克服した漫画家の内田春菊さん(58)は直腸で左側。ジャーナリストの鳥越俊太郎さん(78)は、2005年に大腸がんが発覚してから13年、元気にされています。鳥越さんの大腸がんも直腸でした。部位による違いが見て取れるでしょう。

 見つけにくさについて触れましたが、検便や内視鏡のほか、3D―CTなどの最新検査も普及しつつあります。大腸がんは発生部位によって治療法が変わるかもしれませんが、まずは早期発見を心掛けてください。

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