脳を使っても認知症は予防できず…英医学誌に論文掲載

公開日: 更新日:

 認知症にはだれもなりたくはありません。その治療薬は世界中で研究されていますが、今のところその進行をある程度遅らせる薬はあっても、治せるような薬は開発されていません。治療に決め手がない状態では、認知症にならないように予防する、というのが、次に誰もが望むことです。それでは認知症を確実に予防するような方法はあるのでしょうか? 

 認知症にはアルツハイマー病や脳血管性認知症など、さまざまな種類がありますが、たばこを吸わない、血圧を上げない、血糖値を正常に保つ、など、心臓病脳卒中を予防するような生活習慣が、実は認知症の予防にも最も有効であることが分かっています。

 脳は使うほど鍛えられるので、頭を普段から使っていれば認知症になりにくい、という考え方があります。脳トレと言われるものは、その考え方をもとにしているのです。しかし、本当に脳を使えば認知症は予防できるのでしょうか? 

 2018年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という医学誌に、興味深い論文が掲載されています。

 スコットランドの高齢者を長期間観察して、知的活動と認知症の進行との関連を検討したところ、知的活動をしていても、認知症の予防にはつながっていませんでした。もちろん脳を鍛えることはその時の知的能力を高めるのには有効ですが、病気としての認知症の予防には、どうやらならないと考えた方がよさそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑