著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

かつて患者が自主的に集まって合唱する「歌の会」があった

公開日: 更新日:

 朝8時半ごろから体操が始まり、45分から15分間歌います。いつも30人ほどの患者さんが集まっていました。ある週では歌詞を150部印刷しても足りないこともあったようです。

 1995年末にI医師は故郷で開業することになりました。当時、化学療法科(現腫瘍内科)の部長だった私は、I医師から「この会を安心して続けるには、傍らに医師がいる必要がある」との相談を受け、歌が好きだったこともあってI医師の後を継ぎました。

 歌の会は、毎週毎週続きました。福島県から来られたある男性の患者さんは食道がん手術後の放射線治療で2回目の入院でした。以前、一緒だった患者さんと再会され、うれし涙を流しながら「ふるさと」を追加リクエストして歌っていました。

 入院期間が長かった時代ですから、退院が決まったことへの喜びを表す方もいれば、同室で亡くなった方を鎮魂したり、点滴を引きずってエレベーターを乗り継いで参加される方など、一人一人の思いは違います。同じなのは皆さん歌が好きな方々でした。


 ある時は患者さんの家族がプロ歌手で、朝早くに病院まで来て会に加わったこともありました。どこで聞きつけたのか、一度NHKのラジオで全国に放送されたり、ジャパンタイムズに英字で紹介されたこともあります。ある年の病院内のテーマ別改善運動発表会では、サークル名「早春賦」で最優秀賞に選ばれ、東京都衛生局から「特別賞」をいただきました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 2

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  3. 3

    嶋基宏は一時期ノイローゼ状態になっていた...心ここにあらずで、魂が抜けた状態に

  4. 4

    伊藤健太郎とキンプリ永瀬廉で明暗クッキリ…「熱愛報道」出口夏希の足を引っ張りかねない“イメージ格差”

  5. 5

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  1. 6

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  2. 7

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  3. 8

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  4. 9

    居酒屋倒産が過去最多ペース 客離れの背景にある「飲み放題5000円」の壁

  5. 10

    巨人“育成の星”のアクシデントに阿部監督は顔面硬直、原辰徳氏は絶句…桑田真澄氏の懸念が現実に