著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

糖尿病の「基準値以下」でも心筋梗塞や脳卒中を起こす人は

公開日: 更新日:

 ある40代半ばで心筋梗塞を起こした患者さんは、血糖値血圧、総コレステロール、LDLコレステロールなどすべて基準値を下回っていました。しかしそれを詳しく見ると、健診を受け始めた35歳から、数値がいずれも徐々に上がっていて、「基準値を下回っている」といっても、「あと一歩で基準値を超えそう」な状態。

 しかし、本人の認識は「悪いところがない」というもの。どれか1つでも基準値を超えていれば、医師の診断と管理栄養士の食事指導を受けられ、何らかの手を打たなければならないという自覚が芽生えていたのかもしれないのですが、それがなかったのも彼の不幸な点でした。加えて、40歳前後から仕事が忙しくなり、健診をすっぽかすようになってしまった。

 結果、40代半ばという年齢で突然心筋梗塞を起こしてしまったのです。

 ガイドラインの基準値だけにとらわれていると、“本当の健康度”を見逃すことになりかねません。ほかの数値との組み合わせ、家族歴、仕事や家庭のストレスなど、さまざまな点をチェックして、「自分はどうなのか」を考えていくべきです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも