「こころの病」は免疫異常が原因 診療が激変する可能性が

公開日: 更新日:

 実際、うつ病、統合失調症、自閉スペクトラム症患者などの脳内でミクログリアの過剰な活性化が認められること、精神症状が重症なほどミクログリア活性化が強く、自殺願望を抱く患者では活性化の程度がさらに強いこと、実験的にストレスを与えたマウスでも、ミクログリアが活性化し、行動変容が起きることなどが報告されている。これらの事実から、ミクログリアの過剰活性化が精神疾患の重要な鍵になる可能性がささやかれているのだ。

「脳は血液脳関門によって厳重に守られており、病原体などの異物の侵入に対する免疫応答を抑制し、炎症を最小限にする。他の領域とは独立し、『免疫学的特権』があるといわれてきました。しかし、脳がダメージを受けるとさまざまな経路を通じて、末梢の炎症反応の影響を受けやすくなり、全身の免疫系の活性化が神経組織に影響を与えます。このように、脳と全身の免疫系は密接に関連し、例えば、意思決定、感情コントロール、状況判断などに重要な役割を果たす脳の前頭前野などが影響を受けて、行動変容を起こすことなどが分かってきたのです」

令和」時代、うつ病や統合失調症などの「こころの病」の治療に免疫制御が加わるなど大きな変化が起こるかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑