著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

英誌報告 100%フルーツジュースでもがんリスクは高くなる

公開日: 更新日:

 砂糖で甘味を付けた飲料(ジュース)の飲み過ぎは、健康に良くないイメージがあります。実際、砂糖入り飲料の摂取は、肥満糖尿病、高血圧の発症リスクを高めるという研究が報告されています。肥満はまた、がん発症のリスクファクターだと考えられていますが、英国医師会誌電子版に甘味を有する飲料とがんの発症リスクを検討した研究論文が2019年7月10日付で掲載されました。

 研究ではフランスに在住している18歳以上の10万1257人(平均42.2歳)が対象となっています。被験者は、インターネットによる食事アンケート調査に基づき、甘味を有する飲料について、摂取量の最も少ない集団から最も多い集団まで4つに分けられ、がんの発症リスクが検討されました。なお、結果に影響を与えうる、年齢、性別、摂取カロリー、飲酒・喫煙状況などの因子について、統計的に補正を行い解析をしています。

 中央値で5・1年間にわたる追跡調査の結果、100%フルーツジュースを含む砂糖入り飲料の摂取が最も少ない集団と比較して最も多い集団で30%、統計学的にも有意にがんのリスクが増加しました。また100%フルーツジュースに限定して解析してもがんのリスクが14%増加しました。他方で、人工甘味料入りの飲料ではがんリスクの増加は見られませんでした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景