【鱸の唐揚げのピリ辛大根おろし添え】ビタミンDが豊富な皮ごと二度揚げに

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多くの不飽和脂肪酸で心臓血管疾患予防

 今回は、鱸。この漢字は難しい。魚偏の右側の旁は、中国の古いコンロのことで、真っ黒な魚という意味が語源らしい。ちゃんと書ける人はほとんどいないだろうし、読む方もおぼつかない?

 でも、心配ご無用。スズキは読むものではなく食べるもの。そして食べる旬は初夏。まさに今。スズキは冬に産卵期を迎えるが、この時期はオスもメスも生殖腺に栄養を取られ、身が痩せてしまう。暖かい海でたくさんエサを食べてしっかり太る今ごろがいちばん肉質がよい。

 外側は真っ黒で口が大きく、シーバスとも呼ばれるが、内側の身は真っ白。血合いもクセもない、きれいな白身はそのままでも、調理してもおいしい。独特のコリコリ感がある。一般的に言って、タンパク質は動物の肉よりも魚がよい。同じ魚なら赤身より白身がよい。これは健康科学の常識。そのわけは含まれる脂にある。魚の白身には不飽和脂肪酸が多く、心臓血管疾患の予防に働く。

 ときに、スズキは出世魚。大きくなるにつれ、コッパ、セイゴ、フッコ、スズキと呼び名が変わる。泳いでいるだけでどんどん出世するなんて、サラリーマンにとってはうらやましい限り。

▽福岡伸一(ふくおか・しんいち)1956年東京生まれ。京大卒。米ハーバード大医学部博士研究員、京大助教授などを経て青学大教授・米ロックフェラー大客員教授。「動的平衡」「芸術と科学のあいだ」「フェルメール 光の王国 」をはじめ著書多数。80万部を超えるベストセラーとなった「生物と無生物のあいだ」は、朝日新聞が識者に実施したアンケート「平成の30冊」にも選ばれた。

※この料理を「お店で出したい」という方は(froufushi@nk-gendai.co.jp)までご連絡ください。

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