降圧剤は昼より夜に 心筋梗塞・脳卒中リスクが3~4割減る

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 降圧剤を飲むタイミングで、これだけ大きな差が生まれるのはなぜか。

「今回の研究は、降圧剤の種類を分けず、ひとくくりに追跡しているのがミソでしょう」

 こう言うのは、東京都健康長寿医療センターの桑島巌顧問(循環器専門医)だ。どういうことか。桑島氏に聞いた。

「ポイントは、薬効の持続時間です。降圧薬は、カルシウム拮抗薬やACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬などが幅広く、それぞれのタイプに、長時間作用型の薬から短時間作用型があります。長時間作用型は、薬効が1日以上持続するので、毎日服用していれば、飲むタイミングの違いで、不具合が起こることは考えにくい。今回、大きな開きが見られるのは、作用時間が短い薬を飲んでいる人が多かったのではないか」

 よく処方される薬の中には、作用時間の目安となる成分の半減期が7~8時間のものが珍しくないという。そういうものは1日2回服用だが、「医師および高血圧患者の高血圧治療に対する意識の実態調査」によれば、患者の6割が「薬が余っている」と回答。飲み忘れが多い実態が見て取れる。患者にとっては、出掛ける準備に忙しい朝より、落ち着いた寝る前の方が、飲み忘れ防止になるのかもしれない。

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