著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

食後の歯磨きを欠かさない人は心臓病になりにくい?

公開日: 更新日:

 食後の歯磨きを欠かさないことは健康的な生活習慣というイメージがあります。口腔内の衛生状態と、心房細動および心不全の関連性を検討した研究論文が、欧州心臓病学会が発行している予防医学の専門誌に、2019年12月1日付で掲載されました。

 心房細動とは不整脈の一種で、心臓本来の動きができなくなる病気です。将来的に脳卒中を発症するリスクが高まるため、場合によっては薬物治療が必要になることもあります。また、心不全とは心臓のポンプ機能が低下し、全身に必要な血液を十分に送り出せなくなった状態のことです。

 この研究では韓国に在住しており、心臓病を発症した経験のない16万1286人(平均52・2歳)が対象となっています。被験者に対して歯周病の有無、歯磨きの回数、抜けた歯の本数などを調査し、心房細動と心不全の発症リスクが検討されました。なお、研究結果に影響を与えうる年齢、性別、社会経済的状況、飲酒・喫煙状況などの因子について統計的に補正を行い、解析しています。

 中央値で10・5年にわたる追跡調査の結果、1日の歯磨きの頻度が0~1回の人と比べて、3回以上の人では、心房細動のリスクが10%、心不全のリスクが12%、統計学的にも有意に低下しました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃