野村克也さんも…「風呂で死ぬのが幸せ」は本当なのか?

公開日: 更新日:

 実際、野村さんの最期の表情はおだやかだったという。

 人間の細胞は一般的に42・5度以上で急速に死ぬとされる。細胞内には高濃度のカリウムが存在している。細胞死によりそれが血液中に流入することで高カリウム血症となると、電解質異常が生じて心臓が震える心室細動が起きる。すると血圧がゼロになり、即、心停止となる。

「浴槽内で顔をお湯につけた状態で発見されても海や川での溺死体のように肺の中から大量の水は見つかりません。顔をお湯につける前に本人も気づかない間に呼吸が止まり、亡くなるからでしょう。入浴中の溺死は少なく、溺死と判定されても、もがき苦しんだ形跡はほとんどありません」

 よくお風呂での急死とはヒートショックが原因か、といわれる。冬場の寒い脱衣場で服を脱ぎ、熱い湯船につかる。急激な温度変化により血圧の上昇が起きて一気に心臓に負荷がかかり、心筋梗塞や心不全といった病気を引き起こす。あるいは、お湯に胸までつかることで水圧で心肺が圧迫され脈が落ちて、血液を全身に送る働きが鈍る。お湯で体が温まると、体表面の毛細血管が広がり、全身の血液が皮膚に集まることで血圧が一気に低下。脳に必要な血液が回らなくなり意識障害が生じて入浴中の事故が起きると説明されている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」