野村克也氏を死に追いやった冬の風呂、急な老化、妻と死別

公開日: 更新日:

 プロ野球で万年Bクラスのヤクルトを3度日本一に導いた元監督の野村克也さん(84)が亡くなった。自宅の浴槽内でぐったりしているところを発見され、病院に搬送されたが助からなかった。死因は3年前に他界した妻の沙知代さんと同じ虚血性心不全だった。

 虚血性心不全とは心臓に酸素と栄養を送る冠動脈が狭くなって血液の供給不足が起こり(虚血)、心臓の働きが悪くなる病気だ。冠動脈が急に詰まる病気は心筋梗塞と呼ばれるが、虚血性心不全は、心筋梗塞と明確に特定できないものの、虚血により心臓の働きが悪くなる場合に付けられることが多い。

 実は野村さんのように浴室で倒れ、虚血性心不全などで急死する人は珍しくない。循環器内科が専門で平成横浜病院健診センター長の東丸貴信・東邦大学名誉教授が言う。

「冬は温かい居間から寒い脱衣所へ移動することで、血管が縮まり血圧が急上昇します。熱いお湯に漬かると、血圧がさらに上がります。お湯で温まると血管が広がり血圧が急に下がります。こうした心臓や血管への『ヒートショック』によるストレスが脳卒中や心筋梗塞のリスクを上げているのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」